【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
「...うっ...」
パキッ...という、靴でなにかを踏んだ音が聞こえてきて目が覚めた。
動くとまだ体が痺れる、それに頭も痛い。
...一体ここはどこ...?
「おっ、頭ー!女の方気がついたみたいすっよー!」
ボヤける視界がハッキリした時
俯いてる私の顔を覗く男、鬼口が声を上げる。
「...きく...ち?」
「よう女!BAR以来だな?」
「...ここはどこなの?」
「ここは兎恋の倉庫だ。
ちょっと手荒だが零を呼び出すために約束通りお前を拉致ったぜ?」
「...」
「つーかお前、拉致って1日経つのにずっと眠ったまんまだしよー。あまりにも起きねーから、スタンガンごときで死んだかと思ってヒヤヒヤしたぜ〜」
「...」
「まあ起きたけどな?それにしてもお前のツレ、うるせー奴だな?ずっとお前の名前連呼してたぜ?」
鬼口が笑いながら言うから、ハッと隣を見る。
そこには私と同じく手足をロープで縛られた直人が横になって目を閉じていた。