【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
「うぅ...頭痛い」
「そりゃああれだけ泣きながら帰ってきたらな」
文化祭当日の朝。
昨日の直人の件で、一日中泣いていたせいで頭が痛い私に零さんが朝ご飯を作ってくれていた。
「二日酔いには味噌汁がいいらしいな」
「人を二日酔い呼ばわりしないでくださいよ!
そもそも酒なんって飲んでもいないし...」
「あの泣き方は酒飲んだ奴の泣き方みたいだったぞ」
「もう零さん!!」
彼女が泣いてたのを、早速ネタにする零さんに朝からムカついてくる。
ムカつくけど...零さんの作ったご飯美味しい...
しかも味噌汁が私の心を温めるから、なんだか精神的にくるものがある。
「それにしても...あのチビ助、俺がいると分かってて告白するとは、なかなかやるじゃねーか」
「...ちょっと零さん、関心してる場合ですか?」
「別に、断ったんだろ?」
「そ...そりゃあ」
「ならいい。
俺はお前の事、信用してるからな」