【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
ちぇー...
別に嘘でも、お世辞でも
神崎さんみたいな綺麗な男の人に言われたら自信つくんだもん。
「零さんなんか、最近『可愛い』とか口に出してくれないんですよ!?」
ガタッとまた立ち上がる私に、いつも無表情をキープしてる零さんが
珍しく、飲んでいるストレートティーを吹き出しそうになっていた。
「何言ってんだお前。
言ったら恥ずかしがる奴が、どの口で言ってんだ」
「た...確かに恥ずかしいけど、言われると嬉しいもん...」
「...ふぅ...零君は男としてダメだねー。
女の子にとって『可愛い』は魔法の言葉なんだよ?
好きな人が言えばもっともっと可愛くなるのに」
さすが神崎さん!
これぞモテ男の言葉だ!と目を輝かせながら関心していると
ぎゅーーーっと、零さんにつねられる頬。
「いひゃい!」
「俺はこの顔で充分いいと思うが?」
「えっ!?」
「これ以上可愛くなって、逆にどうするつもりなんだ?」
「...零...しゃん...」