【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
信号が赤になると同時に、沈黙。
止まる自分の足も、他人の足も、音をなくした靴が気まずさを強めた。
「あっ...ごめん花ちゃん変な事聞いて!
別に言わなくてもいいから!!」
「...違うの!ごめん朝日ちゃん!
実は相談したい事があって一緒に帰ろうって誘ったの」
「えっ?」
「ちょっと外だと話しにくいし、どっかお店寄らない?」
「うん...あっ!お店より私の家の方がいいんじゃないかな?人に聞かれたら嫌な事も聞かれないし」
「ありがとう朝日ちゃん...」
「いえいえ!そうと決まれば早速行きましょうか!」
信号が青になると、花ちゃんの手を握った。
少しでも花ちゃんの力になりたい
不安を取り除いてあげたい
そんな気持ちが歩く足を速めた。