【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。






急に大きな声を出して、イスから立つ花ちゃんに驚いた。


花ちゃんは恥ずかしそうに、またイスにお尻を戻す。



「...っと、取り乱しちゃってごめんね。
それでね、お母さんがその子が小さいからその子の事ばっか甘やかして私の方見てくれないの」



「...」



「別にもう高校生だからって...わかってはいるんだけど、なんで自分の子供より他人の子供にばっか優しくするんだろうって...自分の心が最近汚く思えてきて、あの家に居るのが辛いの」



家に居るのが辛いって...

気持ち的に相当追い込まれてるよね。



「花ちゃん...でもそれって普通の感情だよ?全然汚くなんかないよ」



「...」



「私も嫌だもん...もしお母さんかお父さんがお互い、違う人と再婚して、その再婚相手の子供しか見てくれなかったら」



「...」



「高校生とか関係ないよ...だって親は親だし、親からしてみれば、自分の子供はずーっと子供のままなんだから」




「ねっ?」と首を傾げて笑う私に
花ちゃんの目からポロッと涙がこぼれ落ちた。



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