【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
帰る準備をする花ちゃんの服の袖を引っ張る。
そりゃあ零さんと2人でラブラブしたいけど
花ちゃんの事だって心配だもん。
でも花ちゃんも結構強情で、帰ろうとするから
掴んでいる花ちゃんの袖を離さないでいると
ガチャっと家のドアが開いた音がした。
そして
「おい朝日帰っ...」
零さんがリビングに来て、花ちゃんの姿に言いかけてた言葉が止まる。
でもとくに焦る様子もない零さん。
焦るどころか
「どうも」なんって、無表情で花ちゃんに挨拶してるし。
なんか零さんが挨拶なんて新鮮すぎて笑えてくる。
「あの...お邪魔してます...」
「あぁ...」
「...」
「...」
とくに会話のない二人の間にできる、謎の気まずさに
私はこの空気を破るようにパンッ!!と手を叩いた。