【完】月明かりの下、君に溺れ恋に落ちた。
「やったーーー!」と、夜なのに大声をだして、
「...うるせぇ」と自分の耳元を手で塞いでいる零さんに笑顔で玄関まで見送った。
「危ねーから、外には出るなよ...絶対にだ」
「もう!子供じゃないんですから分かってますよ」
「...行ってくる」
「いってらっしゃい!」
昨日の様に、零さんが仕事に行くと
急にシーンと静まり返る家の中。
明日楽しみがあると分かっていても
やっぱり寂しくて
しょうがないから、やる事やって
今日も早めに寝た。
そして次の日
また一人で朝ご飯を食べては学校へと向かう。
えへへっ...
今日零さんに、どこ連れて行ってもらおうかな?
ゲームセンターは行ったし...
海もこの前見に行ったし...
幸せな悩み事に、動く足も次第に速くなる。
...この時
私はまだ知らなかったんだ。
いや、知らないままの方が幸せだったのかもしれない...
学校で私をドン底に突き落とす出来事が
待ち構えていたなんて...。