嘘に焙り焙られる
もらい火
行きつけの近所のコーヒーショップでブレンドのコーヒー豆を買う。

マスターにオススメと産地別の特徴を教わり、「これ載せてもいいですか?」と比較用にブラジル産とコロンビア産の豆をSNS用にとパシャり。。

「いいよ。ゆっくり試飲してって」とマスターは相変わらず優しい。


モダンでありアンティーク調で揃えられた家具まで取り扱う、髭を蓄え丸メガネのマスターのこだわりだ。

カウンターの一番奥で勧められたブレンドコーヒーを嗜む。

コーヒーから立ち上がる湯気と香りに癒され、まったりと落ち着く。

振り返ればあの撮影から、2日経つ。

直矢は相変わらず忙しく、長い時間会えていない。

故にこの前の答え合わせも出来ていない。

着々と、引っ越しへの準備が進んでいるわけではある。

あとは直矢の服と少量の家具をまとめるだけだ。

などと思案するもコーヒーだけは買い足さなければと今に至る。

コーヒー大好き人間の私には、コーヒーが生活から切れることは死活問題だ。
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