嘘に焙り焙られる
気付くと頭を撫でる感触で目が覚める。
すっかりキリッとした空気感の朝だ。
「おはよう、よく寝れた?」なんて何の気なしの言葉を発する直矢がいた。
その手を傷付けないよう払いながら、
「おはよう。添い寝だけのはずでしょ。なんで髪の毛を撫でてるの。」
「いい匂いでつい。なあ。添い寝って浮気に入るのかな?」
「私が彼女の立場ならおそらくキレてる。」
「だよなあ。」とベットに突っ伏して直矢は珍しく項垂れていた。
鼻筋がスッと通る直矢が、朝の光に映えていた。
完全に拒絶できなかった私も悪いから、そんな顔で謝らないでよ。
「それも今日で卒業!ほら起きよ。」と気合いを込めて布団を剥がしかける。
「本当俺たち順序をすっ飛ばした関係過ぎて、」自重気味に直矢はそんなことを言う。
「あと10分。最期のお願い」と手を拝む仕草の直矢が、柔らかく笑っていた。
身体の関係はないくせに、一通りの愛をささやこうとするから始末が悪い。
それに加えて断り切れない自分が憎い。
顔が良いって常々、罪深い。
渋々、寝具に身を寄せる。
すっかりキリッとした空気感の朝だ。
「おはよう、よく寝れた?」なんて何の気なしの言葉を発する直矢がいた。
その手を傷付けないよう払いながら、
「おはよう。添い寝だけのはずでしょ。なんで髪の毛を撫でてるの。」
「いい匂いでつい。なあ。添い寝って浮気に入るのかな?」
「私が彼女の立場ならおそらくキレてる。」
「だよなあ。」とベットに突っ伏して直矢は珍しく項垂れていた。
鼻筋がスッと通る直矢が、朝の光に映えていた。
完全に拒絶できなかった私も悪いから、そんな顔で謝らないでよ。
「それも今日で卒業!ほら起きよ。」と気合いを込めて布団を剥がしかける。
「本当俺たち順序をすっ飛ばした関係過ぎて、」自重気味に直矢はそんなことを言う。
「あと10分。最期のお願い」と手を拝む仕草の直矢が、柔らかく笑っていた。
身体の関係はないくせに、一通りの愛をささやこうとするから始末が悪い。
それに加えて断り切れない自分が憎い。
顔が良いって常々、罪深い。
渋々、寝具に身を寄せる。