嘘に焙り焙られる
「ビジュアル面の話だけで記者サン達は使ってるらしいよ。聴いたときドキッとした、何処まで内情を知ってるのかって。元々距離感を間違ってる関係性ではあるよね。」

「ああ、元の発端はな。だからゴシップ誌常連になっちまった。」

本当に卒業できるのだろうか。

というか直矢の卒業の意味って、ルームシェアを解消するだけだと、思っていそう。

直矢の卒業の意味に齟齬があるのかも。

「確認何だけど、卒業の意味をあらためて教えて欲しい。」

「知人に戻りましょう?ということかな。」

「私はね。これ以上頼らないことだと思う。」

「スパッと言いますね。」直矢が哀しそうに妙な笑顔を残す。

「前向きなバンドの解散みたいなものだと解釈してます。」と桐子は念をおす。

「なるほどなあ。あの高校生の時の好きだったバンドが活動休止発表したとき、桐子号泣してたよな。」

「そんな数年前の思い出話は置いといて。」眉間にしわを寄せる。

「尚更、中々戻って来ないから、寂しいよなあ。」
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