嘘に焙り焙られる
直矢はあっさりと確信を付いてくる。
桐子は、押し黙る。
「不死鳥の破滅と再生の瞬きみたいな涙なんだ。しばらく眺めて壊してみたくなる」
気恥ずかしそうにポツリと直矢はつぶやく。
「それって褒めてる?」とぼけたふりして桐子は、聞き返す。
「珍しくめちゃくちゃ褒めてるよ。
忠告もあるけど、それを何回も繰り返すの絶対しんどいだろうし、人の道を踏み外しそうになる前に相談しろよな。」
いつものゆるい雰囲気の直矢が言う。
「ええ知人として」と桐子は語気を強めに返す。
「知人ね。知人」クッと口角が片方上がる直矢がいた。