嘘に焙り焙られる
直矢からの田所さんへのプレゼントはどう見ても高級そうな腕時計だった。
「いやー流石に高級なもの貰えない」と田所さんは謙遜の拒否を示すけど、私も今さら直矢に返せない。
「貰ってあげてよ。私も本居さんにブランド品のポーチと大層なお酒を贈ったから大丈夫。」
「でもなあ」と田所さんは渋る。
「直矢なりの感謝の形だから、それだけ慕われていたってことで」
その場をまるく収め、アバンギャルド系ファッションブランドの展示会へ向かった。