嘘に焙り焙られる

「そう。付き合う気はある・・?」詰問するように田所さんは、訪ねる。

「友達として複数人と飲酒はあると思いますけど、それから先はわかりません」

「つまりまだ芽は摘み取れていないと」

「恭兵のこと好きか嫌いかと言われたら嫌いよりですよ」

「それ嘘ついてない?身体と心を切り離した場合は?」

「・・・それはお仕事ってことですか?」

「桐子。未遂が1回ある癖にその考え方は甘いよ。」

「言わせないでください。無駄に傷つくパターンのことですよね。」

「そう、恋愛は自由だが、色粉沙汰の傷つくパターン。今は避けてほしい」

「はい」と言葉を桐子を呟くものの、得体の知れない見えない鎖にまた縛られた気がした。

雁字搦めの城塞が再びほどけることが、この先あるのだろうか。

田所さんに嘘は見抜かれる。

きっと私自身が無意識に心を押し殺していることもお見通しなのだろう。
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