嘘に焙り焙られる
さっそく運転中の田所さんに、完全にオフ日にならないのかと伝えると。

「無理です」

「そこを何とか」

「外ロケが豪雨または大雪の交通不能ならバラシになるとは聞きました。しかし予備日が再来週に組まれます」

「神のみぞ知る状況の上、そんな中では居酒屋さえ閉まるって」

「そうです。つまり諦めて下さい。」

「そこを何とか」

「夕景がメインのはずでしたから、トラブルもなく、順調に進めば希望はあるかと」

「それを先に言ってよ。」と桐子は訝しげに返事をする。

「恭兵さんはその飲み来るんですか?」

「いや、わからないです」

「そうですか、そこまで束縛しませんから安心して下さい」

「もしかして田所さん恭兵に何かしましたか?最近世間話すら来なくなったんですけど」

「あー勝手ながら、目障りな遊びなら失せろと忠告を」

「原因絶対それじゃん」

「あの程度で引っ込むとは思えませんでしたね。それ相応の対応したまでです。」

「流されてもいい?」

「ご勝手にどうぞ。ゴシップ誌だけは、やめて下さい」

桐子は、くぎを刺された。
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