その唇で甘いキスをして…
ハルさんは閉店まで帰らなかった。

「ジュン…」

「ん?」

「どっか泊まるか?

カオル…居ないんだろ?」

そんな事をしたら本当にアタシは最悪だ。

「ハルさん…今日は帰るね。」

「カオルに悪いと思ってるのか?」

「…そうじゃなくて…」

本当の事を言われて答えに困る。

「ダメだ。今日は帰さない。」

「ハルさん…」

「オレには悪いと思わないのか?」

もうダメだ…
断れないと思った。

「わかった…ハルさんと泊まるよ。」

アタシはまたカオルに酷いことをする。

ハルさんはアタシを高級ホテルのスイートルームに連れて行った。

カオルとは決して泊まれない場所だ。

少しだけ乱暴にキスしながらアタシを脱がしてく。

アタシはこんな時もハルさんの舌で感じてる。

その時、電話が鳴ってアタシはハルさんに言った。

「お願い。電話に出させて…」

ハルさんはテーブルに置いたアタシの電話を取って
怖い顔で

「出ろよ。」

と言った。

アタシはその電話に恐る恐る出る。

「カオル…?仕事どう?」

「うん、まぁ大変かな?お前は浮気してない?」

その時、ハルさんがアタシを後ろから抱きしめて
首筋にキスをする。

「そんなこと…っ…してないよ。」

ハルさんは容赦なくアタシを攻め続ける。

「カオル…今、手が離せないから…後でかけ直すね。」

アタシは淫らな声を殺して
カオルが電話を切るのを待った。



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