その唇で甘いキスをして…
アタシは家に戻って3日ぶりにジョウの顔を見た。

「ママ、お体良くなった?」

心配そうにアタシの顔を覗き込むジョウが愛しくて抱きしめた。

「ごめんね。ジョウ、いい子にしてた?」

「うん。宿題も1人でやったよ。

それとね、パパと星を見た。

あとね、ピザも食べた。」

ハルさんはジョウとはなかなか一緒に過ごせない。

でもアタシが居ない間、寂しくないように
ちゃんとお父さんの役目を果たしてた。

ハルさんはそのまま仕事に行った。

「なるべく早く帰るな。」

そう行って綺麗に身なりを整えて
社長の顔になって出て行く。

アタシはカフェをずっと休んでる。

アタシの身体を心配して
ハルさんはカフェにもう1人
人を雇った。

アタシはジョウといる時間が増えた。

カオルには暫く逢わないことにした。

それでも毎日電話をした。

「ご飯食べた?」

とか

「何してた?」

とか…

カオルは決まって

「逢いたい。」

と言った。

アタシはその言葉を無視して電話を切る。

そうするとカオルはわざとハルさんとベッドにいる時間に電話をかけてくる。

だからサイレントモードにして
もちろんアタシは電話に出ない。

カオルのことは考えないように
ハルさんの腕に溺れる。




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