その唇で甘いキスをして…
ハルさんはあの後シャワーを浴びて
いつも通りピシっとスーツを着て会社に行った。

心配したカオルが電話をかけて来た。

「ハルキさん、大丈夫だった?」

「大丈夫なわけないよ。」

「怒ってた?」

「カオル、もう2人で会うのはやめよう。」

その言葉がカオルにとって
どんなに辛い言葉かわかってたけど
アタシはあえてそれを言うしかなかった。

一番大切なのはハルさんだ。

そう思わないともう修復出来なくなる。

カオルはまた良からぬ事をするかもしれない。

それでもアタシは見ないふりをするんだ。

そう思ってたのにカオルはそうさせてくれなかった。

「ジュン、カオルが事故った。」

その電話くれたのはハルさんだった。

「今すぐ病院に行け。俺もすぐ向かうから。」

カオルには家族が居ない。

ハルさんとアタシ以外頼る人も居ない。

アタシは急いで病院に行った。

カオルは赤信号を見落としてトラックに突っ込まれた。

状態がわからなくて不安になる。

ハルさんが来て、アタシは少し安心する。

「大丈夫だ。心配するな。

アイツは強いから。」

アタシは怖くて堪らなかった。

カオルがこの世から消えたらどうしよう。
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