その唇で甘いキスをして…
ハルさんがシャワーを浴びて
ベッドに来る。

いつもみたいにアタシの髪を撫で
おやすみのキスをする。

その夜は続きがあって
ハルさんがアタシの首筋にキスしようとするから
アタシはそれを拒んだ。

「今はダメ。隣に聞こえちゃう。」

「何が?」

ハルさんはアタシがハルさんモノだって
カオルに見せつけるつもりだ。

「何がって…

ハルさん…
もしかしてこの為にカオルを隣の部屋に入れたの?」

「まさか…そこまで趣味悪くないよ。

そう思うならジュンが声を出さなきゃいい。」

ハルさんはそう言って笑うとワザとアタシの弱い場所に触れる。

アタシは声を押し殺しながら
ハルさんを縋るように見つめる。

「そんな目で見るなよ。

鳴かせたくなる。」

ハルさんはそう言って口角をあげながら
いつもよりずっと意地悪になる。

この音がカオルに聞こえてませんように。

アタシはそう願いながらハルさんと1つになる。




< 32 / 131 >

この作品をシェア

pagetop