その唇で甘いキスをして…
でもカオルにはアタシ以外にその場所はない。
ジョウさんは泣いてるアタシの涙を見て
アタシの頰を優しく撫でて涙を拭う。
「泣くなよ。
泣いてもどうにもならない。
カオルはハルさんを知って変わってしまったお前を許さない。
でも現実的に不可能だろ?
友達だからって旦那のいる男とキスしたり、
抱き合って眠ったり、
その身体を触らせるなんて…あり得ないよな。
カオルがその身体を取り戻すにはお前に男として接するしかない。
ハルさんから奪うしかなくなった。
友達のままじゃお前を抱く事は出来ないから。
だから執拗にちょっかい出すんだろ。
カオルはお前にとっても弱味だからな。
1番の弱点だ。
ジュン、ずっとこのままカオルと離れないで居るつもりか?
俺はハルさんを思うならカオルとは距離を置くべきだと思う。
残酷だけど…カオルはアニキでも今は友達ですらない。
ただの男なんだ。」
ジョウさんの言ってることはよくわかる。
それでもカオルと距離を置くなんてアタシに出来るんだろうか?
「お前は優しすぎるんだ。
もっと残酷になれ。
それが相手の為にもなる。
正直、オレの事も気にしすぎだ。
いつでも手を出せばお前に届くと思っちまう。
今、オレが押し倒したらお前は寝てくれるかもってな。
勘違いであって欲しいけど…」
アタシは変わらなければならないみたいだ。