恋デート 【絶対にキスをする】

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『美咲さん、マジきれいっす！ほんとめちゃめちゃ美人すぎて俺毎日感動しますから！』


出会った頃。

凌空は会うたびにすごいうれしそうな顔してあたしに駆け寄ってきて、いつもあたしことをきれいだとかタイプだとかって、こいつバカなのかと疑うくらいめちゃめちゃ全力で褒め殺しにしてきた。


凌空は同じ高校に通う１っこ下で、あたしの双子の兄貴、咲也が可愛がっている後輩だ。

バスケ好きの凌空にとって強化選手に選ばれたことがある咲也は神みたいな存在らしく、中学は別だったけど咲也に惚れこんで追い掛けるように同じ高校に入学してきたという。

凌空は学校じゃ笑い話にされるぐらい咲也のことをリスペクトしまくってて、その妹ってだけでなんでかあたしにまで同じ態度で接してきた。



頼んでもないのに購買で争奪戦になるいちばん人気のパンをゲットして『めっちゃウマいから美咲先輩も食ってみてください！』って教室まで届けに来たり。

（唐揚げマヨチーズトーストとか、カロリー高すぎて食べないって何度も言ったのに……）


あたしが掃除当番の日は『美咲先輩に汚い教室の掃除なんて、この俺が絶対させませんから！』って無理やり手伝いに駆けつけてきたり。

（その結果毎回部活に遅れてアホみたいに咲也に怒られてすっごいションボリするくせに……）



おかげであたしは「１年をパシらせてる怖ぇ女」ってクラスメイトたちにドン引きされてる。おまえほんとやめろと叱ってやったら、凌空は懲りるどころか目をきらっきらさせて言いやがった。



『咲也先輩にはマジお世話になってるんで！その妹さんである美咲先輩も、俺にとってはマジ大事な人なんです！』