似た者同士。
中三の秋。
まだ引退していない部活と勉強の両立で
まあまあ忙しかった。
紗友莉は高校の文化祭とかで忙しそうだった。
俺は紗友莉と同じ高校に行きたくて、
そのことしか考えてなくて。
だから忙しさもしんどくはなかった。
でもその頃、紗友莉の様子がおかしかった。
心なしかいつも顔色が悪くて、
足取りがフラフラしていた。
理由を聞いても、
「高校生は大変なんだよ~」
と誤魔化されて、
悩みがあることぐらい、無理してることぐらい、
俺だって分かるのに、頼ってくれない紗友莉。
そんなある日。
部活から帰ってくると、
電話が鳴った。
家には誰もいなかったから、
俺がとった。
電話は紗友莉のお母さんからで、
紗友莉が家を飛び出したっきり帰って来ないと、
泣きながら言っている。