似た者同士。
似た者同士
高校二年生の夏休みまっただ中。
私の家には、お父さんもお母さんもいなくて、
代わりにこいつがいる。
「紗友莉~!夕飯まだ?」
そう、魁人がいる。
何故、魁人と二人きりで、うちにいるのかというと。
夏休み初日。
塾から帰ってくると、会社にいるはずのお父さんが家にいた。
大きなキャリーバックに色んな物をぶち込んで、
慌ただしくしていた。
急な出張でも決まったのだろうと呑気に考えていた私。
でも次第に、普通じゃない空気を察し始めた。
私が帰って来ても、お父さんはそれに気付かないくらい焦ってるし、
お母さんまでキャリーバックを用意している。
「・・・ねぇ」
私が言葉を発しても、二人は無反応。
怖くなってきた私は、魁人に助けを求めようと、
家を出た。
すると、ちょうどお隣からも人が出てきた。
「・・・」
「・・・」
魁人だった。