クールな御曹司にさらわれました
「タケルガ恋スルキモチガワカル。トテモアカルクテカワイイ。目ガキレイ。唇ハチェリーミタイダ」

外国の男性って女性を褒めるのに、まったく抵抗がないのよね。
でもそんなにストレートに言われたら、こっちは困るんだってば―。マヒドさんにわかる日本語で返事できないよー。

困り果てて、「ありがとうございます」としか返せない私に、マヒドさんがにっこり微笑んだ。

「今夜ガ楽シミダネ。タケルトタエノウエデイングレセプション」

うえでぃんぐれせぷしょん???

私は意味がわからず、首を傾げた。

「オオ、マチガエタ。マリッジジャナイネ。エンゲージメントダネ」

マヒドさんは頭をかいて笑ってる。え?ちょっと待って。マリッジじゃなくてエンゲージメント?結婚?婚約!?

今夜のパーティーは、ただの社交会練習じゃないの!?

私は上手に聞き返せない。するとそこへ尊さんが戻ってきた。

「楽しく話しているか?」

「オウ、タケル、今夜がタノシミッテ話シテタノサ」

私は何も言えず、ふたりのやりとりを見ていた。

この時点で聞き返せばよかったのかもしれない。
あとから考えてみれば。
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