クールな御曹司にさらわれました
エピローグ
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「ん~、やっぱりここの鶏五目ごはんは最高だね~」
よく来る会社近所の焼き鳥屋にて、私が頬を押さえながら言うのを、向かいの席で小森が見ている。
「最近、真中食べ過ぎじゃない?太ったよな」
「え!?女子にそういうこと言う?」
確かに私の前には鶏五目ごはんランチ大盛が四角いお盆に乗っている。この店自慢の鶏五目ごはん大盛に、味噌汁。大盛サラダと唐揚げが四つ、焼き鳥が二本ついた豪華な代物。
最近、ごはんが美味しくて食欲増してる気はするけれど、太ったかなぁ~?
先週から体重計載ってないからな~。
「あら、小森さん。妙さんのこれは幸せ太りよ」
私の横でレディースセットの焼き鳥丼を食べているのはサラさんだ。
サラさんは時折、時間があくと私たちとランチをしにやってくる。主人不在は、仕事がしやすく、昼休みもとりやすいとのことだ。
「なにしろ、ようやく愛しのダーリンが帰国するんですもの」
サラさんが両手を組んで、うふふと笑う。え?
でも、サラさん、『太った』に対する否定がない……。
「サラさん、私、やっぱ丸くなったかな?」
「妙さんは少しふっくらしていた方が可愛いわ。食べちゃいたいくらい」
つつーっと私の頬から首を撫でるサラさんに小森は突っ込む。