嫌よ嫌よも好きのうち?
今日はなんだか風が強い
屋上の砂埃がさらさらと舞って
ちょっと目が痛い
なんて考えながら目をこすって
パッと前を向いたら
「ちっ、近っ!」
「ごめんね、悪気はないよ」
数センチ目の前に漆原君が立っていた
私はびっくりして思考停止
強風で何度もめくれる漆原君のブレザー
影の形が何度もとめどなく変化した
「まず、いきなり呼び出してごめんね?
みんないる前で嫌だったよね
でも我慢できなかったんだ。自分の気持ちが」
「それは全然大丈夫なんだけど…
我慢できないって?なに?」
私がそう聞き返すと
漆原君は一呼吸置いてからまた口を開いた
「僕と、付き合ってくれませんか?」