嫌よ嫌よも好きのうち?
「行くぞ」
そう間宮に言われてしばらく歩いて
連れていかれたのは
ちょっと離れた場所にある公園だった
「お前って本当バカだよな
だから前に後悔しても知らねーぞって言っただろ」
「間宮に関係ないじゃん
私がしたくて始めた恋だったし…」
出会いは唐突だった
足元がよろけた私を漆原君が助けてくれた
ほんの些細なきっかけだった
それまでは漆原君は高嶺の花みたいな存在だった
「もうわかっただろ?あいつは見た目だけだって」
「漆原君はすごい優しい人だったよ
小さなことでも心配してくれて、気使ってくれて」
「お前、勘違いしてんだよ。そもそもあいつは優しくない
女たらしだし性格は真っ黒だし
お前はさ、恋愛してる自分に自惚れてるだけじゃねーの?」