嫌よ嫌よも好きのうち?

「よし、着いたぞ」

「ここって…」

歩きづらい道を歩いて
風の強さで無造作に乱れる髪の毛
連れてこられた場所は海だった

「なんで私をここに連れてきたの?」

「俺の気に入ってる場所
17時になったら夕日がすげー綺麗なんだよ」

遠くを見つめながら話す間宮の横顔は
どこか違って見えた
私を馬鹿にする時の顔とはちょっと違う
むかつくけど、すごい綺麗な横顔

「間宮って意外とロマンチストなんだね
海に来て夕日が綺麗とか言うなんてさ」

「一応AB型だからな
AB型ってロマンチストらしーじゃん
前に雑誌で血液型のやつ見た」

「間宮ってそういう雑誌見るの?さらに意外!」

「うっせーな。ふつーの雑誌の
1ページ2ページくらいの特集みたいなやつだし」

「私はA型なんだよね〜
確かAB型とA型って相性最悪なんだよ」

「ならそれが本当か付き合ってみるか」

「むり」

「即答かよ。つまんね」

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