残虐姫
アァママのあの目はあの時の目だ


私を失敗作と言ったあの日の…




「雅話がある」

『パパ?』


パパはとても真剣な目で私を見た


何だろう


そう思いながら私はパパの後についていった


ガチャ



着いた先はパパの書斎だった

姫とよくここでイタズラしたっけ


「お前にお願いがある」


?お願い?

「あのままではママは元には戻らない」


確かにあのままでは壊れてしまいもういつものママには戻らないだろう

だけどそんなことどうだっていい

「そこでだお前に白鳥姫になってもらいたい」



えっ今なんて言った?


「お前と姫は顔は似ているからなだからお前が死んだことにして姫が本当は生きていたということにしたい」

『だったらなんで今まで黙っていたのか聞くだろ』


「ママはいま正気をなくしているだからそのことは大丈夫だ」


そう…


パパも私の事いらないと思っているのね
代わりだと言いたいのね…


『嫌だ』


誰が好き好んで私を失敗作と呼んだあの人に喜んでもらおうと思うのだろう

少なくとも私は嫌だ
私は白鳥雅だ







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