ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

……断り切れなくて、お風呂に一緒に入る。

羞恥にバスタオルを巻き付けているのに、彼ときたら何も包み隠さずに……。

そりゃ、裸はもう見てもいたけれど、でもそれとこれとは……ああ、もう目のやり場に困る。

「……背中、流しましょうか?」

なんとか自分の気をそらすつもりで言う。

「ああ、頼むよ」

向けられた背中の広さに、気をそらすつもりが、逆によけいにハマったのを感じた。

……色気が有り余り過ぎて、なんていうかもう……いい加減にしてほしいくらいのいい男。

背中を洗って、お湯で流し終わったら、

「…じゃあ、入ろうか?」

と、手を引かれた。

「…えっ、中に2人で…?」

「ああ、入らないのか?」

当然の顔つきで、なぜ私ばっかりが、こうもドキドキさせられてるんだろうと……。



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