ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

「……いいだろう?」

こんないい男に、そんな真剣な顔で何度も頼まれたら、了承せずにはいられなくなるじゃないですか……。

コーヒーを一口飲んで、

「えっと…それでは、お引き受けします…。……こんな風にお会いしたのも、何かのご縁かもしれないですし。

……そろそろ仕事のことも、本気で考えなきゃいけないないようにも思っていたんで……」

話すと、

「そうか。……広報誌の方は追ってお願いをするが、悪いが、運転手は明日からでも早速頼めないか?」

と、返されて、

「……明日?」

と、驚く。

「ああ、急すぎるかな? もし君の都合が悪ければ他の日でもいいが、何しろ運転手がいなくて、困っているんだ」


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