ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

「明日は、社内オフの新作の発表があるんだが、君も参加しないか?」

帰りの車内でそう言われて、

「私なんかが、参加していいんですか?」

と、返す。

「ああ、気に入ったのがあれば、描いてもらってもかまわないから。もし良ければ、新作カタログにイラストを載せてもいいしな」

「カタログにだなんて、そんな……」

自分の拙いイラストをカタログに載せてもらうのなんて、申し訳ないとさえ思う。

「私が気に入ってるからいいと、前にも言っただろ? いいのがあれば掲載するから、君は好きなように描いてくれればいい」

「はい…」

頷いて、

「ありがとうございます」

と、口にする。



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