ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

気になったのをペンで描いて、持ってきたマーカーで彩色をしていく。

「……私に、この綺麗なHASUMIの色合いが出せるかな…」

とにかくその色を再現したくて、マーカーをいくつも手に持って塗り込んでいたら、

やがて最後にもなって、出てきたのは、蓮見会長だったーー。


ーー会長は、ダークヴァイオレットのスーツの上下に、少し明るめな紫のベストを合わせ、チェーン付きの銀製のラベルピンを胸の下辺りに飾っていて、

小さなダイヤのあしらわれたピンが歩く度に煌々と揺れて輝いて、その姿に見ている周りの人たちから、ほぉーっと嘆息の声が上がる。


「……やっぱり、蓮見会長が一番かっこいい……」

見とれてしまうほどのスーツ姿に、ペンを走らせていたら、

私の方を見て、ふっと微笑を浮かべて、あまりの妖麗さに、直視すらできずに顔をうつむけた……。


……会長、そのいい男ぶりは、卒倒しそうなくらいにヤバいです……。