ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

酔って、眠ってしまった会長を、見るともなしに見ていた。

そんな姿を、簡単に晒さないでほしい。

目の毒なんだけど……いい男な上に、ガードが甘いだなんて。

ハァ…と、思わずため息が漏れる。

「……会長、かっこよすぎなんですってば……」

そう呟いたところに、

「……うん?」

と、不意に蓮見会長が目を見開いた。

「…あ、起きられたんですか?」

訊ねると、

「……うん?」と、寝ぼけ眼でくり返すのに、

ああ、まだ完全に目が覚めてはいないんだと感じる。




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