ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

そこへ、

「……鈴森さん……」

急に呼ばれて、

「…は、はい」と、返事をする。

「……服、脱がせてくれないか?」

「…えっ? あ…はっ?」

何を言われてるのか、頭がすぐには付いていかなかった。

「……熱いんだ。……服を、脱がせてくれ」

くり返して言うのに、

「…ど、どこまで脱がしたら……」

そんなことを聞いて、自分でも何言ってるんだろうと思う。

なんだか動揺しすぎて、何をしていいのかもわからない。

「……早く、してくれ」

「あ…はい」

服に手をかけて、

上着を脱がそうとすると、

「…ダメだ、そんなんじゃ……」

耳元で言われて、息が吹きかかり、

「…な、何がダメなんですか!?」

動揺がピークに達しそうになる。



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