ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

-3-


……朝になって、先に起きて顔を洗っていたら、ようやく会長の方も目を覚ましたようだった……。

「……起きられましたか?」

「…ああ、うん…おはよう」

ぼんやりと言うのに、

「おはようございます」

と、返す。

「…会長、昨日のこと、覚えていられますか?」

訊いてみると、

「いや、あんまり…」

と、首を振った。

「そうですか、会長はお酒にはそんなにお強くないみたいなので、あんまり飲まれない方がいいかもしれないですね…」

言うと、

「…そう、か」

と、呟いた。

お水を渡して、飲んでもらって、(そう、もうあんなに艶っぽくなられたら、私も敵わないので)と、クスリと笑って思った……。


< 51 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop