ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

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平日のランチタイムに顔合わせをしたこともあって、

「そろそろ僕は社に戻りますんで。お2人はごゆっくり」

社長である息子さんは、笑顔を残して、先に会社へと戻って行った。

「……会長は、まだいいんですか?」

急にまた2人っきりにもなって、ちょっと緊張してくる。

「ああ、私は大丈夫だから。……ところで、息子のことは気に入ったかい?」

「ええ…まぁ」

気に入ったって、どういう意味なんだろうと考える。

「いい奴だろ、あいつは。……母親がいない状況で、よくあそこまでしっかり育ってくれたと思うよ」

「ええ…。本当に、いい方で……」

「……あいつとなら、君も、うまくやれそうだろ?」

「え…それって、どんな?」

「……どんな?」

と、聞き返される。



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