ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」
大企業の会長に褒められて、さすがに悪い気はしなくて、
「……でも、私なんかで本当にいいんですか?」
と、尋ねる。
「ああ、君でいいんだ」
迷いもなく答えられて、
「それと……もう一つ頼みがあるんだが……君は、誰か車の運転の出来る人を知らないか?」
そう訊かれて、
「……運転ですか?」と、訊ね返す。
「ああ、君の知り合いでも友人でも、身元がわかっていれば問題はないから」
なんだか切迫してるような感じに、
「免許だったら、私も持ってますが……」
応じると、
「本当にか?」
と、食いついてきて、
「それなら、私の運転手もしてもらえないだろうか?」
そう提案をされた。