ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」
つと顎が引かれ、顔が迫ったと思ったら、唇が合わせられた。
「え…」
「……突然して、悪い…」
「…えっ、え……?」
「……したかったんだ…ずっと」
「…え?」
頭がまるで回らなくて、バカみたいに同じ言葉をくり返す。
「……君が、好きなんだ……」
「…えっ?…嘘ですよね?」
そんなわけがないのにと思う。
「……酔ってるんですか? 酔って、思ってもいないことを……」
「……違う。酒の力は借りようとしたが、思ってもないことじゃない……」
と、腰に手をまわされて、抱き寄せられた。