ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

「……でも、あの……どうして……」

急な展開に、頭が真っ白にもなってくる。

酔っ払ってるだけだったら、妙なことでも口走ったら、取り返しがつかないしとも考えていると、

「……酔ってないと言ってるだろ」

言われて、

「……本気だ」

一言、告げられた。

「……本気って、」

「……息子に紹介したのも、そういう意味でだ…」

「……そんな…信じられないです……」

「……もう一回、キスしたら、信じてもらえるか?」

艶めいた唇を寄せて、口づけられた。


「……信じられない…」

呆然とくり返す。

唇の感触は感じるのに、現実じゃないようにも思える。

「……信じられないのか…まだ…」

と、息を吐いて、グラスからゴクリと喉に流し込む。

「…だって、こんな……夢じゃないかって……」

「……夢じゃないだろう。夢なんかではないから……」

抱かれた腰がグッと引かれて、身体が貼り付くように合わさる。


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