ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」
刻み付けるようなキスが、
首から耳へ、ゆっくりと這い上がって、
舌の先が、耳の中へと入ってくる。
「…ダメ…それ…」
「……何が、ダメなんだ…」
耳に口を押し付けて、
そのまま辿るように頬にキスをして、唇を合わせる。
「……口を、ひらいて…」
あいた口に覗く舌を、唇で挟んで、
伸ばした舌先を、深く絡める。
「……ダメかも……」
「…だから、何がだ……」
柔らかく、口の中で纏わりつく舌に、声が出そうになる。
声を抑えようと胸に顔を押しつけると、ギュッと強く抱かれて、
「……君が、辛いようにはしないから」
胸元に吸い付くようにされて、堪えていた声が漏れた……。