ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」
完結
ーー朝になって、目を覚ますと、
会長は先に起き出して、もうシャワーを浴びているらしく、水音が響いていた。
「……昨日、キスして……」
と、唇を指で触る。
普段からは想像もできないほどに情熱的で、あんな熱を奥に秘めてたんだなんて……と、
思い出すだけでも、火照ってくるみたいで、
赤面しそうになったところへ、シャワーから蓮見会長が上がってきたーー。
一瞬、その顔に、違和感を覚えて、
次の瞬間、思わず目が釘付けになる。
「……会長、それは……」
今まで見慣れたはずの、顔の下半分に、見慣れたはずのものがなくなっていた……。