ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」
「……陽介様? 何をしておいでなんですか?」
華さんが、チラリと横目に睨みをきかせる。
「…いや、何も……」
と、目をそらして、
「…何もしてないよな?」
私に同意を求めてくるのが、
なんだか可愛らしくも思えて、ふっと笑ってしまう。
目の前のスーツの背に、そっと腕をまわして、
「……内緒にしておきますね…2人だけの内緒に」
声をひそめると、
「……ああ、内緒で…また、華さんのいない間に…」
そう言って、唇の前に人差し指を立てると、優しく穏やかに微笑んだ……。
甘く香るムスクと、格好良く決まったスーツーーダンディなその彼は、愛すべき私の……素敵なダーリン!
-End-