ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」

「……陽介様? 何をしておいでなんですか?」

華さんが、チラリと横目に睨みをきかせる。

「…いや、何も……」

と、目をそらして、

「…何もしてないよな?」

私に同意を求めてくるのが、

なんだか可愛らしくも思えて、ふっと笑ってしまう。


目の前のスーツの背に、そっと腕をまわして、

「……内緒にしておきますね…2人だけの内緒に」

声をひそめると、

「……ああ、内緒で…また、華さんのいない間に…」

そう言って、唇の前に人差し指を立てると、優しく穏やかに微笑んだ……。



甘く香るムスクと、格好良く決まったスーツーーダンディなその彼は、愛すべき私の……素敵なダーリン!







-End-






< 99 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop