JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
2月、最初の日曜日。

秀人に持って来てもらったオシャレめな上着を着て、響が働いてる美容室を訪れた。


その仕事熱心な姿を見たいと思ってたし…
髪を少し切り揃えたり、カラーもしてみたいと思ったから。


ただ、予約してまで行いたいとは思えず。

今月は暇らしいし、日曜とはいえ比較的少ないと聞いていた時間を狙ったものの…
人気の響は30分待ち。

しかもちょうどキャンセルが出て空いた枠で。
それも後で聞いた話、インフルエンザが流行ってる時期だからこそらしい。



待合スペースから、さっそく響の仕事ぶりでも見てようとしたら…
その人が、施術の合間をみて駆け寄って来た。


「憧子さん、びっくりしたよっ。
ていうか…」

家でしてあげるのに、と続きを耳打ちされる。


「いいの。
響が頑張ってるとこ、見てみたかったから」


「っ…

ありがとうっ」

ものすごく嬉しそうな笑顔が零れる。


「ごめん、もう少し待ってて」と言い残して、戻って行ったその人を眺めてると…

なにげに不快感を覚える。
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