JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「カットから先にするけど、どんな感じがいい?」

通された席で、カウンセリングを受けてると…

家で一緒に過ごしてる人と違うシチュエーションで関わってる事に、変な緊張感を感じて胸がくすぐったくなる。


結局、響に任せる事にして…
シャンプー&ドライのあと、施術が始まる。

途端、その人の目つきは熱を灯したように変化して…
それでいて楽しそうで。


いつもとは違うその眼差しに、心臓が騒ぐのを感じた。


鏡越しに見たその手はセクシーで…
だけどこんなに男っぽかったっけ?と思うほど頼もしくて。

余計騒ぎが煽られる。




そうして仕上がった髪型は、重く伸び放題だったビフォアと長さはほとんど変わらないのに…

エアリーでサラサラしたスタイルに変わってて、ナチュラルな束感と動きまで作られていた。



「どう?」


「…すごく、いい」


「っ、よかったっ」

鏡越しに、本当に嬉しそうな笑顔が映る。



「カットひとつで、こんなに変わるんだ…」

今までその変化を大して意識して来なかったけど…
自分までドキドキしてしまうくらい、見違えるものになっていた。
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