JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
刹那、心臓が暴れ始める。



どうしよう…


どうしよう、

どうしよう、



どうしようっ…




あ…

息苦しい。


どう、しよう…




「憧子さん」


ビクッ、と我に返って。

その呼び声の主を映すと…



「お部屋の用意が出来たので、こちらにどうぞ」

そう促されて。


意味がわからなかったものの、この場から早く立ち去りたかった私は…
誘導されるまま付いて行った。




「もう無理しなくて、いいよっ?」

案内された個室に入るなり。
そう抱き包まれて、優しく髪を撫でられる。



「っっ…、響っ…!」

例えようもない感情が堰を切って、
その人にぎゅうっとしがみついた。


それに応えるように、ぎゅうっと抱き返されて…
響の職場だというのに、涙が溢れた。



「っ、ごめんっ…、仕事中なのに…」


「…全然いいよ?

話したくなったら、いくらでも聞くし…
時間が来るまで、こうしてよっ?」

その言葉のあと、今度は傍のソファに誘導される。
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