JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
途中、チラと鏡越しに映した響は…

少し切なげにも、驚いてるようにも見える、複雑な顔をしていて。


動画が終わると、第一声。

「っ、カズマさん、イメケンだね」


「でしょっ?」

一真の事を褒められると、嬉しくなる。



「…どんな人だったの?」


「見たまんま。
元気で明るくて、やんちゃで人懐こくて…

それで、いきなりトリップちゃう人」


「トリップ?」


「そう。
すごい建物を見たり、急に閃いたりすると、没頭して私の事なんて置いてけぼり」


「へぇ…
仕事人って感じで、カッコいいね。
けど、憧子さんは寂しくなかった?」


「それは全然。
むしろ、そんな彼を見つめてるのが好きだった…」


「…

いいね、そういうの。
すごく幸せそう…

その、観覧車の動画も」


「うん、すごく…幸せだった」

…私は。



「ん、そんな…笑顔してた」


笑顔…
に、驚いてるような様子を見せたのだろうか。

もうそれの作り方も忘れてしまったけど。



なんだか今さら、その笑顔や変顔が恥ずかしくなって…

切り替えるように、話の流れを振った。
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