JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「それに、憧子さんが言ってくれたんだよ?
感情の暴走なんて、人間なら誰でもあるって。

あれ、その場凌ぎの言葉だった?」


そう訊かれて…
首を横に振った。


そう。
私もこの事で自分を責めて、後悔して苦しんで来たから…
響の気持ちに共感したし、その苦しみを少しでも和らげたいと思った。

そして、この事をずっと1人で抱えてたから…
私もそんな言葉が欲しかったのかもしれない。



すると。


「憧子さんと一真さんが築いた幸せは、そう簡単に踏みにじられないと思うよ?

だってそれくらい、最高に幸せそうだったから…」


そんな…
救いの言葉が差し述べられる。



そうだね…

一真と過ごした日々の全てが、本当に。
キラキラ宝石みたいに輝いてて…

最高に幸せだった。



それは、こんな形で終わってしまったけど…


「一真も、幸せだったのかなぁっ…」


「幸せだったに決まってる。

憧子さんは、今でもこんなに…
苦しみながらも想い続けてる。
それほどの愛を、その頃ずっともらってたんだから…

幸せじゃないはずがない」
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