JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「っ…
そう、かなぁっ…」


「そうだよ。
どう見たってそれしかないよ。

このビデオでも、あの観覧車の動画でも。
憧子さんを見る目がほんとに優しくて、愛しそうで…

そんな一真さんの笑顔が物語ってる。
きっと、間違いなく幸せだったよ…

踏みにじる事なんて出来ないくらい」


そう言われて…

涙が止めどなく溢れた。



それは、第三者の意見でしかないけど…
それでも。

苦しみが和らげられてくようだった。






響の腕の中で、ずっと頭を撫でられながら…
どれくらい経っただろう。

だいぶ落ち着いた私は、ようやくその人の疲労と空腹に気が回る。


慌てて、追い討ちをかけた状況を謝って。
まだ食欲がない私は、響の食事だけ用意を始めると。

それに気付いたのか、その人がオレンジフラワーティーとクッキーを用意してくれた。


なんでも、この前の店舗発注で自宅の分も頼んでくれたようで…
ちょうど今日届いたらしい。
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