JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「これ、ほんとに落ち着く…」

ネロリの香りを身体に取り込んで、そう呟いた。


「…ん、よかった。

俺も、憧子さんの料理に癒される」


「…癒される?」


「うん。
心も体も疲れが飛んで…
頑張るエネルギーが充電されてく感じっ?

いつもありがとう」


私程度の料理でそんなふうに癒されるなんて…
特に今日は簡単なものなのに。

だけど。


ありがとう、その言葉は…

自責の心に深く染み込む。



「私の方こそ…
いつもほんとに、ありがとうっ…」








その夜。

久しぶりに、一真と夢で会えた。



〔一真っ…

っ、迎えに来てくれたのっ?〕

なのにその人は、悲しそうに去っていく。


〔待ってっ…
ねぇ待って!

っ、ごめんなさいっっ…


ごめんっ、一真…
ごめんねっ…〕


その夢の中で、やっと本人に泣きながら謝ると…

戻って来たその人に、優しくあの頃のように撫でられた。


すごく嬉しくて…

その人を見つめて、その名前を口にして。


あの頃のように微笑んだ。





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