JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「うん、すごいのっ。
昨日ねっ?なんとなく…」

と状況を説明すると。


「よかった…

ほんとにすごいっ…」

言い終えた私を抱きしめて、自分の事みたいに喜ぶ響。



「…けど。
離脱症状を防ぐためにも、今日は飲んで。
処方してくれてるお医者さんとも相談しながら、ゆっくり減らしてこっか」


「え、なんでそれっ…

例の、常用してるお得意様から聞いたの?」


安定剤同様、眠剤も…
急にやめたり量を減らすと、離脱症状という副作用が起こる。

要は禁断症状のようなものだ。


「やっ、俺なりに薬の事勉強したんだ…
ちゃんと知っときたいなって」


それはきっと、私のためで…


「っ…

うんっ、ゆっくり減らす…
ありがとうっ…」

抱きしめてくれてるその人を、ぎゅっとした。


「っ、うん…
俺が支えるから、一緒にゆっくり減らしてこう?」


俺が支える、その言葉に胸が詰まって。
一緒に、が嬉しくなる。




だけど、眠れたのはなぜだろう?

抱えてる後悔を、吐き出せたからだろうか?
たとえ夢でも、一真に謝れたからだろうか?
それとも、響の言葉に救われたからだろうか?


きっとその全部で。
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